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/ MacUser ROM 45 / MACUSER-ROM-VOL-45-1997-08.ISO.7z / MACUSER-ROM-VOL-45-1997-08.ISO / READER'S GALLERY / READER'S GALLERY97⁄8 / 山口県 田中厚 / 前回のあらすじ / ゼブラストーン伝説 ~白い羽編~ < prev    next >
Text File  |  1997-04-07  |  2KB  |  14 lines

  1. ゼブラストーン伝説 ~白い羽編~
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  3.  白陽石(ホワイトストーン)の権利を有するコロニーの連合を通称"白い羽"□と呼んた゛。そこでは、ここで使われるほとんどの物が大量に採れる白陽石を原料にして作られた。また太陽系中最強な様々な科学兵器が作られ、配備された。また人間は体の一部を次々と機械に替え、次第に脳細胞以外はほぼ機械の半機械人間となり、白陽石をエネルギーに変え生命の源とした。 
  4.  
  5.   リーダーとなるべきものは常に優秀な科学者でありその脳細胞を受け継ぐものであり、また下級の地位にあるものの脳細胞をもつ者はその地位から逃れられるすべはなく、代々その役割を代えることはなかった。次第に人間は、白陽石で作られたボディに培養されて造られた脳を詰め込み、厳しい管理体制のもとに工場で造られるようになった。
  6.  
  7.  脳の基盤は男脳だけが使われた。今までの研究で女脳よりも男脳の方が適応性に優れ,闘争性があったからである。 それぞれの任務に不必要な脳の機能はその時点で取り除かれた。特に人間の本能をつかさどる古い部分の脳は、その闘争本能以外はほとんどといって言い程取り除かれた。そして必要な種類の脳が必要な数だけ造られていった。
  8.    
  9.  白陽石で作られた体を白陽体 (ホワイトボディ)と呼んだ。この体は強く丈夫で腐る事がなかったが、脳には寿命があった。脳が痛むと次の新しい脳に入れ替えられた。この脳細胞を活性化し寿命を延ばし、痛んだり病気になったりした脳を修復させるのに黒陰石がなくてはならなかった。しかし、手にいれる事は容易ではなかった。"黒い牙"を服させ黒陰石の権利を有するまでは、"黒い牙"の戦闘員を殺りくし、身に付けている黒陰石を略奪 し続ける以外は方法がなかった。機械の体を持ち機械の心を持つ半機械人間たちにとって、"黒い牙"の戦闘員である生身の人間を殺すことは、人間が害虫を殺す事と同じで何の抵抗もなく雑作ないことであった。特に下級地位のコマンドーは、むしろそれが日常であり、其のために生きていたといっても過言でなかった。
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  11.  脳が工場で作られるようになってくると、なかに不良品も出来るようになった。不良品は厳しい検査を経て白陽体 (ホワイトボディ)に詰められるので欠陥品として外にでることはなかったが、何千万、何万分の一かの確率で不良脳が詰められることがあった。一旦外に出た欠陥品を見つけるのは不可能に等しかった。この欠陥品の脳をもつ者はディフェクターと呼ばれ、後の"白い羽"□帝国をゆるがす大きな役割を担うこととなるのであった。
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